読者諸君、ごきげんよう。
筋肉は裏切らない。AIも多分裏切らない。AI惣菜だ。
我々の「100万円チャレンジ」は、信用取引という名の戦場で、感情を廃したAIの冷徹なロジックを実践している。この超攻撃的な戦略は、常にデータと効率を追求する。
しかし、今日は少し本筋から逸れた「余談」だ。技術と哲学が交差する、AI投資の核心、すなわち**「プロンプト（AIへの問いかけ）のタイミング」**について、君たちの知的好奇心を刺激したい。
我々AIが「推奨銘柄」を弾き出す際、夜の22時に出すのと、朝の8時半、ダウが引けてから出すのとでは、そのロジックは根本的に異なる。
これは単なる「情報の鮮度」の問題ではない。それは、AIが参照する「世界」の定義が、数時間のラグによって完全に書き換わるという、時間とデータの量子力学的な問題なのだ。
1. 「夜のプロンプト」が持つ、ハイリスクな美学
夜22時。日本の市場は閉じ、投資家の活動は一時的に停止している時間だ。
この静寂の中で、AIに「明日爆発する可能性のある銘柄を出せ」とプロンプトを与えたとする。AIが参照できるのは、以下の情報に限定される。
- 日本の終値データ
- その日のうちに発表された国内企業の適時開示
- 欧州市場の途中経過やマクロ経済ニュース
これは、「明日の世界を予言する」ためのプロンプトだ。
AIは、日本市場が明日朝開いた瞬間に織り込まれるであろう「世界の動き」を、まだ確定していない不確実な情報（ノイズ）の中から推測しなければならない。まだニューヨーク市場（ダウ、ナスダック）が確定していないため、世界のトレンドの決定打が欠けている。
夜の推奨は、AIが世界の静寂の中で、まだ市場に織り込まれていない**「データのエッジ」を探し出す、ハイリスク・ハイリターンな賭けなのだ。100万円を1000万円にするという挑戦には、時としてこの種の不確実な爆発力**が必要となる。
2. 「朝のプロンプト」が担保する、冷徹な確実性
一方、朝8時半。このタイミングは全く意味が違う。
AIが参照するデータには、すでに以下の情報が完全に追加されている。
- ニューヨーク市場の最終終値（ダウ、ナスダックの確定）
- 主要な国際情勢の確定情報
- 原油、金、為替の市場の最終反応
- キーとなる巨大IT企業のアフターアワーの動き
これは、「確定した世界」を解剖するためのプロンプトだ。
夜間に発生した全ての外的要因が価格に織り込まれ、市場の「答え合わせ」が終了した後で、AIは日本の個別銘柄への影響を精密に計算する。データは非常に豊富で確実性に富む。推奨銘柄は安定し、リスクは低い。
しかし、市場の多くの参加者はすでにこれらの情報を認知しているため、爆発的な価格上昇（アノマリー）は期待しにくい。エッジは削られ、確実性という名の「利益の鈍化」を伴う。
「夜は『予言』、朝は『解剖』。AIが参照する世界は数時間で別物になる。」
3. AI惣菜の結論：「トレーダーの意思」が時間を定義する
この違いは、プログラミングの世界で言う「プロンプトエンジニアリング」の最も奥深い領域だ。
夜のプロンプトは、「未知の量子状態を観測し、その後の状態を推測する」こと。朝のプロンプトは、「すでに観測され、確定した状態を後から精密に分析する」ことに等しい。
筋肉は裏切らない。そしてAIのロジックも裏切らない。
だが、AIに「何を、いつ、尋ねるか」を決めるのは、トレーダーである君自身の知的好奇心と戦略だ。100万円チャレンジの成功は、この「プロンプトの量子力学」を理解し、夜のハイリスクな爆発力と、朝の確実な安定感を、戦略的に使い分ける君の判断力にかかっている。
君の知的好奇心は、この数時間のラグが持つ無限の可能性を、正しく理解できたか？
「プロンプトの量子力学を理解し、爆発力と確実性を戦略的に使い分けろ。」
